1920年代の終わり頃に子母沢寛が世に送った“新選組三部作”の後、1960年代から次々に新選組と隊士を主題にした小説等が書かれ、TVドラマも放映されます。
新選組に興味を持った人達に、“もっと知りたい”という思いが湧き、隊士達の足跡に触れるため、史跡踏査をする人も増えました。
インターネットがなかった時代、詳しい情報を求め、新選組関連書籍を出版している新人物往来社へ問い合わせの手紙を送るようになります。
個別に応対をしていた大出俊幸は、こうした人々の間を繋ぎ、新選組の話題で語り合い、交流できる場を作れば、大勢の新選組ファンが、楽しみながら新選組への知識や理解を深めて行かれるのではないかと思い立ったのです。
そこで、ファンの探求心に応えるために生まれたのが、新選組友の会。
会報を通し、全国に散らばる新選組ファンが意見交換や研究・創作の発表を始めました。
会員が集って、新選組ゆかりの地を訪れる、現在の“オフ会”に近い催しも生まれます。
時をおかず、その集まりは総司忌となり、歳三忌となって、会員以外のファンも受け入れ、交流の輪はどんどん広がっていったのです。
墓参、あるいは法要と、新選組の研究や創作に携わる人々の講演を一体化させる形がイベントの定番となり、やがて、戊辰戦争後に顧みられる事の少なかった旧幕方戦死者の慰霊祭や、近藤勇忌と、イベントの数も増え、新選組ファンの繋がりは、ますます多岐に渡り、緊密になりました。
新選組や隊士に興味がある方は、ぜひ1度イベントへ顔を出してください。
そして、少しだけ勇気を出して、他の参加者に話しかけてください。
あなたの周りにいるのは、皆、あなたと同じ新選組ファン。
意気投合できる友達が、貴方を待っています。
できれば会報に目を通し、たとえ1行でも構いません、貴方も書いて下さい。
そこから、また世界は広がっていきます。
そして、新選組を通してつながった友は、生涯の友になります。