三島由紀夫が自決した翌年(1971年)の2月、私は縁あって新人物往来社の書籍編集部へ入りました。
その年の秋、以前から懇意にしていただいていた評論家の尾崎秀樹先生の書棚から、『永倉新八』と題された本をお借りしたのが、私と新選組の出遭いになります。
私は大学生の4年間を京都で過ごしましたが、その頃は新選組には目もくれず、木屋町の安酒場で白い濁酒(ドブロク・とっても安かったのです)を飲んでは、友人達と遊泳する日々でした。
永倉新八という新選組の隊士が三条小橋西詰の池田屋(大学生当時は修学旅行宿・佐々木旅館)に突入し、乱刃をふるい何人かを斬った。
その本人が大正年間まで生き残り、体験談を残した。
自分の記憶にある京都の町並みが鮮やかに蘇り、そこを歩き、そこで戦った永倉新八という存在が、とてもリアルで身近に感じられたのです。
夢中になって読みました。
私の中で血がたぎり始め、感慨が大波のように押し寄せて、いてもたってもいられません。
そんな気持に突き動かされ、永倉新八の体験談を『新選組顛末記』と改題して発行。
以後は新選組にどっぷりつかり、新選組の書籍156冊を世に送り出しました。
そして今も、新選組が大好きです。
新選組ファンの皆様と、楽しく賑やかに新選組に関わっていかれる事に、何より大きな喜びを感じております。

    大出俊幸主宰者署名